マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人生を楽しむ、人生に苛まれる

 概して――
 人生を楽しんで生きている者は、周りの人たちに対して寛容で――
 人生に苛まれて生きている者は、周りの人たちに対して狭量です。

 ある大病院の院長を長年にわたって務められ――
 その後は名誉院長として、その病院に引き続き勤務されていた方がいらっしゃいます。

 その方の同僚であったという人が、ちょっと面白い評価をしていたので――
 今でも記憶に残っています。

 曰く、

 ――その先生、院長の時は、何となく高圧的で感じの悪い人だったけれど、院長でなくなってからは、人が変わったようだった。何となく低姿勢で感じのよい人になった。

 と――

 僕が、

 ――それ、同じ先生のことなんですよね?

 と念を押すと、

 ――もちろん!

 とのお返事――

 ……

 ……

 こういう話は――
 ちょくちょく耳にします。

“何となく高圧的で感じの悪い人”から“何となく低姿勢で感じの良い人”への劇的な変化は――

 大病院の院長としての人生に苛まれていたと考えれば――
 説明がつきます。

 たぶん――
 大病院の院長でなくなってからは、人生を楽しんで生きるようになられたのですね。