――餓(うえ)
と、
――恋(こい)
との比較について――
きのうの『道草日記』で触れました。
……
……
一方――
先月上旬以来――
僕は――
この『道草日記』で、
――恋は情動であり、愛は意思である。
ということを――
繰り返し述べています。
ここで――
素朴な疑問として、
――「餓」と「恋」との関係に着目するときに、「愛」に比肩されうる概念は何か。
が生まれます。
図式で示せば、
恋 vs 愛 = 餓 vs ?
における「?」は何かという疑問――
つまり、
――「恋」にとっての「愛」のような概念が、「餓」にもあるのか。
という疑問です。
僕は、
(ある)
と思っています。
その概念とは何か――
……
……
漢語として表すなら、
――養
です。
「滋養強壮」の「養」、「栄養・養育」の「養」です。
和語として表すなら、
――養う
です。
「家族を養う」の「養う」、「英気を養う」の「養う」です。
……
……
たぶん――
話の順番が――
本来は逆です。
「恋」にとっての「愛」のような概念が、「餓」にもあるのか――
と問うのではなく――
「餓」にとっての「養」のような概念が、「恋」にとっての「愛」である――
つまり――
「恋」と「愛」とは、「餓」と「養」とのように異なる概念である――
と説くのが――
本来の順番です。
……
……
「餓」と「恋」と――
どちらが、より強く人を惹きつけるかを考えれば――
順番は自明です。