マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

恋の本質がみえなくなるとき

 ――恋に恋をする。

 という表現がありますね。

 だいたいは――
 まだ本格的な恋を経験していないような若い人が、

 ――私も早く恋がしたい。

 と乞い願ったり、

 ――恋って、きっと素晴らしい!

 と思い込んだりすることを指します。

 が――

 ……

 ……

 もし、

  恋 ≒ 生殖欲求

 の図式を踏まえるのなら、

 ――「恋に恋をする」など、ありえない。

 といえるでしょう。

 ――せいぜい「恋に憧れる」や「恋に酔う」というのが精一杯であろう。

 と――

 ……

 ……

 ――恋

 は――
 ときに、

 ――憧憬

 や、

 ――心酔

 といった意味を含むことがあります。

 恋について何かを語るときに――

 こうした要素を――
 いかに注意深く取り除いていくかが――
 一つの鍵となります。

 ……

 ……

 恋という感情は――
 あくまで、

 ――特定の人との間に子孫を残したいという欲求

 が中核を占めている、と――
 僕は考えています。

 もちろん――
 この欲求に、

 ――特定の人への憧憬

 や、

 ――特定の人に対する心酔

 といった感情などが自然と加味されることまで――
 否定をするものではありません。

 とはいえ――

 そういった「憧憬」や「心酔」といった感情に焦点を当ててしまうと――

(恋の本質がみえなくなる)
 と――
 僕は考えています。

 憧憬や心酔は――
 あくまで恋の周辺的な感情であって――
 中心的な感情ではないはずです。