――恋は、理想の人物像を見出そうとする心の働きだ。
という主張をみました。
――どうしても理想を追い求めすぎてしまうので、キリがない。
とも――
……
……
この主張は――
僕にいわせると、
――恋の本質を見落としている。
となります。
――どうしても理想を追い求めすぎてしまうのは、たぶん、その主張者が恋をするときのクセであって、すべての人の恋にみられる本質的な要素ではない。
と思います。
もちろん、
――そういう“恋のクセ”をもっている人たちが、世の中には、けっこう、たくさんいる。
ということは――
認めたほうがよいでしょう。
とはいえ――
そういう人たちとは別に、
――やたら現実的に妥協をしまくってしまう。
という人も――
いないことはないのです。
どちらの恋にも通じているのは、
恋 ≒ 生殖欲求
の図式です。
つまり、
――どうしても理想を追い求めすぎてしまう。
というのも、
――やたら現実的に妥協をしまくってしまう。
というのも――
どちらも、生殖欲求の満たし方のクセであって――
生殖欲求の満たされ方の原理とは直接の関係はない――
ということです。
……
……
よって――
冒頭でご紹介した、
――恋は、理想の人物像を見出そうとする心の働きだ。
という主張は、たぶん間違いで――
正しくは、
――心には、生殖欲求を満たそうとする相手に理想の人物像を見出そうとする傾向がある。
でしょう。
……
……
恋と“恋のクセ”とを混同してはいけません。
