大企業や官公庁などの大組織で――
しばしば人事の矛盾が噴き出る話を耳にする度に、
(何とかならないものか)
と思うのです。
大組織の人事の矛盾というは――
結局は、
――適材適所が実現されない。
の一言に尽きます。
地位や役職に見合った人材を配置できない――
ということです。
古くて新しい問題です。
……
……
この問題の解決策の一つに、
――報酬と裁量とを分離する。
という手法があるそうです。
現在――
多くの組織で採用されている人事のルールは、
――地位や役職が上がれば報酬も裁量も増える。
というものですが、
――このルールを変えればよい。
と主張する人たちがいます。
すなわち、
――地位や役職が上がって増えるのは裁量だけにして、報酬については、組織への貢献度だけをもとに、別個に評価して増やすべきだ。
というのですね。
このルールだと――
極端な話、
――部長や役員よりも高給取りの平社員
というのが存在しえます。
例えば――
その平社員が超人的な営業成績を上げていれば――
実現しえます。
むしろ――
高給取りになりたいからという理由で、十分に慣れていた営業の仕事をなげうって――
不慣れな管理の仕事に就いて、巧く適応できずに、周囲から白眼視される――
という事態が避けられます。
……
……
(部長や役員よりも高給取りの平社員? そんなバカな!)
と思わず笑ってしまったのですが――
……
……
こうした組織――
別に、ひどく珍奇というわけではありません。
実は――
僕らに比較的なじみのある組織が、そうなのですね。
どんな組織か――
皆さん――
おわかりになりますか。
……
……
プロ・スポーツのチームです。
(なるほど……)
と思いました。