恋と愛とは別ものです。
恋は未来を見すえた感情であり――
愛は過去を踏まえた意思です。
よって――
きのうの『道草日記』で、
――恋を笑う者は恋に泣く。
と述べましたが――
同じことを――
愛についていうことは、できません。
すなわち、
――愛を笑う者は愛に泣く。
とは――
いえないのですね。
なぜか――
……
……
愛を笑う者は――
愛に泣くことさえ、できないからです。
愛を笑う者は――
誰かを愛することがなく――
また、誰かに愛されても気づきません。
それゆえに――
愛を笑うことができるのです。
よって――
もし、愛について、
――恋を笑う者は恋に泣く。
と同じようなことを強いていうならば――
それは、
――愛を笑う者は愛を欠く。
です。