問題
「三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ」の問題から学べうることで、実社会に活用できそうなことは何か、議論せよ。
という議論参加式の数学の問題を――
きのうの『道草日記』で示しました。
きょうは――
この問題の解答例を示しましょう。
解答例とは――
とりもなおさず、議論の進め方についてのアイディアです。
皆さんなら――
どんな議論を展開されますか。
……
……
僕なら――
きっと――
こんな提案から入るでしょう。
――例えば、仕事を探すときに活用できるのではないか。
……
……
ぜんぜん数学的ではないですね。
それでもよいのです。
どういうことか――
……
……
問題
三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ。
を解こうと思ったら――
一昨日や昨日の『道草日記』で述べたように――
まずは、底辺の長さを仮に定め、次いで高さを定めて面積の最大値を求めます。
それと同じように――
仕事を探すときには、まずは、仕事の報酬を仮に定め、次いで仕事のやりがいを定めて最適な仕事を探し出す――
そのような発想が、
問題
三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ。
の解法を習得する過程で、自然と浮かぶようになるのではないか――
ということです。
これに対し――
当然ながら――
以下のような反論が予想されます。
――仕事の報酬は客観的な基準であり、仕事のやりがいは主観的な基準である。一方、三角形の底辺や高さは、ともに客観的な基準である。相性が悪い。提案はミス・マッチではないか。
これに対しては――
さらに反論を試みます。
――たしかに、ミス・マッチである。では、「結婚相手を探すときに活用できる」という提案はどうか。結婚相手を探すときは、異性として魅力的かどうかという基準と人として魅力的かどうかという基準とを併用すると考えられる。どちらも主観的な基準であり、相性は良いはずだ。
……
……
こんなふうにして――
議論を深めていくことができます。
……
……
もちろん、
問題
三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ。
から議論が離れすぎないように――
気をつける必要はあります。
この議論参加式の問題では――
数学を忘れ――
ひたすら就職や婚活の話題ばかり持ち出そうとする受験者は――
たぶん――
誰からも低い評価を受けるはずです。