マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

大学入試の数学にふさわしい議論参加式の問題

 大学入試の数学で――
 従来型の問題――
 例えば、

 問題
 三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ。

 のような問題――
 が問うていることは、

  1) 知識

  2) 思考

  3) 計算

 である――
 ということを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 ……

 ……

 これら3つのポイントのうち――
 1)や 3)については――

 そもそも大学入試で問う意義はない、と――
 僕は思っています。

 少なくとも――
 これからの時代には――
 問う意義はない――

 なぜか――

 ……

 ……

 知識も計算も――
 人工知能がこなしてくれるからです。

 人がこなすよりも遥かに高いレベルでこなします。

 よって――
 これからの時代の大学入試では、

  2) 思考

 をこそ問う必要がある――

 ……

 ……

 以上のことを念頭に、

 問題
 三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ。

 に代わりうる問題として、僕が提案するのは――
 以下のような議論参加式の問題です。

 問題
 「三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ」の問題から学べうることで、実社会に活用できそうなことは何か、議論せよ。

 ……

 ……

 きのうの『道草日記』で、

 問題
 三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ。

 が問うている思考について述べました。

 繰り返しますと――

 三角形の面積は、底辺の長さと高さとを乗じたものの半分であるから――
 その最大値は――
 まずは、底辺の長さと高さとのうち、どちらか一方を一定の値とみなし、もう一方の値を様々に変えていくことで、暫定的な最大値を求め――
 その暫定的な最大値が、最初に一定とみなした値を様々に変えていくときに、どのように変わっていくかを調べていけば――
 探しだすことができる――
 という思考です。

 つまり――
 こうした思考が実社会で活用できそうな状況を想定し、議論せよ――
 というのが、

 問題
 「三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ」の問題から学べうることで、実社会に活用できそうなことは何か、議論せよ。

 で問われていることです。

 色々な状況が想定できるかと思いますが――
 そうした状況をいくつか想定するには――
 当然ながら、

 問題
 三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ。

 のような問題がスラスラと解けるくらいには――
 数学を勉強しておく必要があります。