大学入試で――
僕のいう議論参加式や企画関与式の問題を扱うとしたら、
――数学が最も難しい。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
例えば――
現行の大学入試の数学で扱われている、
問題
三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ。
というような問題――文章論術式の問題――に代わって――
どのような問題が考えられるのか――もちろん、議論参加式ないし企画関与式の問題なのですが――
この問いに答えるのは――
そう簡単ではありません。
(どうすりゃいいんだろ?)
と――
僕自身、思っています。
……
……
ここで、
問題
三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ。
に代わりうる問題について考える前に――
この従来型の問題が受験者に問うている内容を確認しましょう。
まずは知識です。
三角形とは何か――
円とは何か――
面積とは何か――
半径1とは、どういうことか――
三角形が円に内接するとは、どういうことか――
三角形の面積は、どう求めるか――
そういったことを十分に知っているか――
それを問うています。
次いで――
思考です。
三角形の面積は、底辺の長さと高さとを乗じたものの半分であるから――
その最大値は――
まずは、底辺の長さと高さとのうち、どちらか一方を一定の値とみなし、もう一方の値を様々に変えていくことで、暫定的な最大値を求め――
その暫定的な最大値が、最初に一定とみなした値を様々に変えていくときに、どのように変わっていくかを調べていけば――
探しだすことができる――
そういったことを独力で考えつけるか――
それを問うています。
もちろん――
この他にも、計算能力――関数の式を作る能力や関数を微分する能力など――を問うています。
……
……
さて――
いま挙げたことを――
議論参加式や企画関与式の問題で受験者に問うことは可能でしょうか。
あるいは――
そもそも――
いま挙げたようなことを――
大学入試で受験者に問う意義はあるでしょうか。
問題
三角形が半径1の円に内接するとき、面積の最大値を求めよ。
に代わりうる問題は何かを考える際に、大切になってくるのは――
そうした視点です。