マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

試験の理想――実施者だけでなく、受験者も評価を下す

 入学試験や資格試験における、

 ――議論参加式

 や、

 ――企画関与式

 の問題について――
 きのうまでの『道草日記』で述べてきました。

 これら方式の問題のポイントは――
 もちろん、

 ――多肢選択式

 や、

 ――空欄補充式

 や、

 ――文章論術式

 の問題では汲み取り難い能力の評価――機械的な記憶や機械的な思考ではない能力の評価――にあるわけですが――

 もう一つ重要なポイントがあって――

 それは――
 試験の実施者だけでなく、受験者自身も、評価を下す――
 ということです。

 実社会の評価が――
 そうなっていますよね。

 商社であれば――
 顧客からの評価だけでなく、上司・同僚・部下からの評価も大切です。

 政界であれば――
 有権者からの評価だけでなく、政治家や行政職からの評価も大切です。

 芸能界であれば――
 ファンからの評価だけでなく、芸能人やスタッフからの評価も大切です。

 そういう実相が社会にあるから――
 入学試験や資格試験も、なるべく、それを反映した形式がよいのではないか、と――
 ということです。

 ……

 ……

 もちろん――

 現実的には様々な困難が考えられます。

 実際の入学試験や資格試験に――
 僕のいう“議論参加式”や“企画関与式”の問題を本気で取り入れようと思ったら――
 かなりの時間と手間と人手とが必要です。

 実現は――
 ほぼ不可能でしょう。

 よって、

 ――できもしないことを提案するな!

 という叱責は――
 かなり妥当なのですが――

 現実を認識し、それに巧く対処するには――
 理想を想定し、それを常に意識する意義があります。

 北極星に辿りつけなくても――
 北極星を仰ぎみる意義はあるように――
 です。