多肢選択式や空欄補充式、文章論述式の問題を使わないで試験を実施することは大変である――
ということを――
きのうの『道草日記』で――
あらためて述べました。
……
……
たしかに大変です。
多肢選択式や空欄補充式、文章論述式の代わりに――
僕のいう議論参加式や企画関与式の問題を使うとしたら――
いったい、どれくらい大変か――
……
……
まずは――
試験監督者の数でしょう。
受験者10名当たり1名の試験監督者が必要になる――
大学などの入学試験なら何とかなるかもしれませんが――
医療職などの資格試験では、かなり深刻な難点です。
しかも――
その試験監督者1人当たりにかかる手間や試験監督者1人が費やす時間がバカにならない――
日頃の本業のほうが疎かになるのは目にみえています。
大学の教員なら、研究や教育が多少なりとも滞るでしょうし――
医療職の者なら、患者から多少なりとも離れざるをえないでしょう。
それゆえに――
……
……
もし――
議論参加式や企画関与式の問題を実際に使うとしたら――
日頃の本業と密接に関連づけて行うより仕方がありません。
大学の教員なら、日頃の研究の主題や教育の課題と一体化させる――
医療職の者なら、患者を相手に行う日頃の業務と一体化させる――
裏を返すと――
日頃の研究や教育に好ましい変化が起こるような議論や企画で試験をする――
日頃の業務に好ましい変化が起こるような議論や企画で試験をする――
例えば――
学部生や院生に与えている研究主題を一般教養的な視点から顧みる議論や企画で試験をする――
業務の現場で持ち上がった課題についての議論や、業務の改善点を提案する企画で試験をする――
つまり――
試験が何か特別な出来事なのではなくて――
日頃の活動の中に組み込まれている――
大学などの入学試験なら、大学の研究室や講義室・演習室・実習室での活動に組み込まれている――
医療職などの資格試験なら、病院の診察室・検査室・処置室や病室での活動に組み込まれている――
そうするより仕方がありません。