マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

自分の器量に許されているギリギリの課題に取り組むセンス

 人物の評価の基準に――
 ひとつ加えてみてもよさそうなものがあると思っています。

 人物の評価の基準といえば――
 ひとまず、以下の2つ、

 ――能力・実行力(実績を残せる力)

 ――評判・人間性(好感をもたれる性質)

 が挙げられると思いますが――
 もうひとつ、

 ――自分の能力・実行力の限界で課題に取り組みながら、自分の評判・人間性を維持するセンス

 も挙げられるのではないか、と――

 つまり――
 自分の能力・実行力で楽にこなせることしか試みないということはなく――
 自分の能力・実行力の遠く及ばないことには手を出さないというセンス――

 あるいは――
 他人に好かれすぎずに、かつ嫌われすぎないように絶妙なバランスをとるセンス―― 

 要するに、

 ――自分の器量に許されているギリギリの課題に取り組むセンス

 とでもいいましょうか。

 これは、能力・実行力の高い・低いや評判・人間性の良い・悪いとは独立の基準です。

 どんなに能力・実行力の高い人でも、どんなに評判・人間性の良い人でも――
 このセンスに欠けているということはありうる――

 逆に――
 どんなに能力・実行力の低い人でも、どんなに評判・人間性の悪い人でも――
 このセンスに優れているということもありうる――

 このセンスに優れている人は――
 必ずしも実績を残すわけではないし、必ずしも好感をもたれるわけではないのですが――

 ある種の清々しさを感じさせる――
 あるいは、“もう少し自分も頑張ってみよう”と思わせる効果がある――

 つまり――
 人々の気持ちを前向きに変える何かがある――

 そういってよいと思います。