マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

点的思考、線的思考、面的思考

 思考には、
 
  1) 認知
  2) 論証
  3) 創造
 
 の3つの階層があると考えられます。
 
 認知は論証の基礎で――
 論証は創造の基礎です。
 
 既知の事実や論理を認知できるから論証ができ――
 既知の論証を未知の論証に活かせるから創造ができるのです。
 
 これら3つの階層とは独立に、
 
  1)点的思考
  2)線的思考
  3)面的思考
 
 の3つの支柱があります。
 
 点的思考とは――
 思考の際に準拠する基準が1つしかない思考のことです。
 
 ここでいう基準とは、
 
 ――判断の基準
 
 あるいは、
 
 ――価値の基準
 
 です。
 
 思考の広がりの方向性あるいは思考の軸といってもよいでしょう。
 
 以下――
 まったく同様に――
 線的思考は、基準が2つの思考で――
 面的思考は、基準が3つの思考です。
 
 おわかりのように――
 点は0次元――
 線は1次元――
 面は2次元ですから――
 
 点的思考とは0次元的思考のことで――
 線的思考とは1次元的思考のことで――
 面的思考とは2次元的思考のことに他なりません。
 
 つまり――
 N次元的思考では、基準は N+1 個なのです。
 
 では――
 なぜ基準は、N次元思考でN個ではなく、N+1 個なのか――
 
 すなわち――
 なぜ――
 0次元的思考で、基準は1つであり――
 1次元的思考で、基準は2つであり――
 2次元的思考は、基準は3つであるのか――
 
 それは――
 
 ……
 
 ……
 
 人は――
 基準が3つのときは、それらのうちの2つを仮定して思考し――
 基準が2つのときは、それらのうちの1つを仮定して思考しているからです。
 
 喩えていうならば――
 
 人は――
 立体を分析するときには、2つの座標軸を固定し、その固定によって生じる面に着目し――
 面を分析するときには、1つの座標軸を固定し、その固定によって生じる線に着目し――
 線を分析するときには、その線を成している1つひとつの点に着目します。
 
 あるいは――
 
 人は――
 点を動かして線を描くように、線を理解し――
 線を動かして面を描くように、面を理解し――
 面を動かして立体を描くように、立体を理解します。
 
 なので――
 N次元的思考で扱いうる基準は N個ではなく、 N+1 個なのですね。
 
 ……
 
 ……
 
 ちなみに――
 基準が4つ以上の思考は、ありうるのか――
 
 すなわち、
 
 ――3次元的思考――立体的思考
 
 というのは、ありうるのか――
 
 ……
 
 ……
 
 僕は、
(たぶん、ありえない)
 と思っています。
 
 その根拠は、
(たぶん、2次元的思考――面的思考――が、ヒトの脳の限界だから――)
 という直感です。
 
 あくまでも直感であって――
 それ以上のものではないのですが――
 
 たぶん――
 僕らが日頃やっている思考のうち、最も高次元のものは、2次元的思考――面的思考――基準が3つの思考――です。
 
 では――
 準拠すべき基準が4つ以上のときは、思考停止に陥っているのかというと――
 そうではなくて――
 
 準拠すべき基準が4つ以上のときは――
 たぶん、無意識のうちに、3つまでに絞って思考しているのです。
 
 どのように絞るかというと――
 網羅的に絞ります。
 
 例えば――
 基準がA、B、C、Dと4つあるときは――
 
 まずは、A、B、Cで2次元思考を試み――
 次いで、B、C、Dで2次元思考を試み――
 次いで、C、D、Aで2次元思考を試み――
 次いで、D、A、Bで2次元思考を試みる――
 というように――
 
 ……
 
 ……
 
 おわかりのように――
 
 準拠すべき基準が――
 4つのときは、4通りで済みますが――
 
 5つのときは、10通りで――
 6つのときは、20通りです。