国のあり方は――
政府がデザインをするのではなく――
国民が勝手にワイワイガヤガヤと話し合い、あちこちでトライ&エラーを繰り返していくうちに――
何となくデザインされていくものでしょう。
政府の仕事は――
それら国民の多種多様な試みを助けること――
さらにいえば――
邪魔をしないこと――
です。
……
……
以上は先進国の話でして――
発展途上国では――
いささか事情が異なります。
発展途上国では、政府が強いリーダーシップを発揮し、ビシバシとデザインをしていったほうがよいでしょう。
……
……
日本国は――
明治以降、昭和中期ころまでは、ほぼ発展途上国でした。
あの時代は――
政府が国のあり方をデザインし、一定の成果を挙げていました。
もちろん――
昭和前期には、大東亜戦争(大平洋戦争)等によって実に悲惨な犠牲を強いられたわけですが――
全体を均してみれば、政府のデザインは概ね功を奏したといってよいでしょう。
……
……
が――
平成の今は違います。
日本国を発展途上国とみなす人は、ほとんどありません。
この国の今に必要なのは――
発展途上国のやり方ではないのです。