マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「リスクをとれ」は言葉が足らない

 ――リスクをとれ。

 と――
 さかんに勧める人がいます。

 言葉が足らないと思います。

 言葉を惜しまずに――
 きちんと言及をするのがよいと思います。

 ――リターンに見合ったリスクをとれ。

 というように――

 ……

 ……

 つまり、

   “ハイリスク・ハイリターン”

 か、

   “ローリスク・ローリターン”

 かのいずれかを選べ、と――

 ……

 ……

   “ハイリスク・ローリターン”

 は、

 ――愚か

 です。

    “ローリスク・ハイリターン”

 は、

 ――浅ましい

 もしくは、

 ――卑しい

 といえます。

 冒頭の言葉「リスクをとれ」は――
 おそらくは、“ローリスク・ハイリターン”の姿勢を咎めたものです――“ローリスク・ローリターン”を咎めたものではありません。

    “ローリスク・ローリターン”   

 の真髄は――
 老子の思想の一端である、

 ――足るを知る。

 に通じます。

 ローリターンで満たされる者は――
 そのままローリターンを積み重ねていけばよいのです。

 そのうちに――
 僥倖が手伝ってハイリターンが得られるかもしれません。

 得られなくても――
 満たされているのですから――

 それは、それで――
 幸せに違いありません。

 とにかく――

 ……

 ……

(“ハイリスク・ハイリターン”は大いに結構! “ローリスク・ローリターン”も大いに結構!)

 そう思います。

 ……

 ……

    “ハイリスク・ハイリターン”

 に、

    “ローリスク・ローリターン”

 これら2つの姿勢のいずれかに徹するか、あるいは、両方の姿勢を自在に操るかすれば――

 人は――
 愚かさや浅ましさや卑しさから自由になって――
 必ずや、幸せになれるはずです。

 といっても――

 ……

 ……

 そう簡単にできることでは――

 ないのですがね(苦笑