マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

風邪ウイルスは性急でない

 ――ヒトと風邪ウイルスとの関係

 について――

 この1週間ほどの『道草日記』で考えています。

 

 簡単にまとめると、

 ――風邪ウイルスは、ヒトの進化に何らかの寄与をするべく、ヒトとの共生を始めたばかりのウイルスではないか。

 となります。

 

 もちろん――

 すべての風邪ウイルスがヒトの進化に何らかの寄与をするわけではなく――

 寄与をするのは、ほんの一握りでしょう。

 

 しかも――

 それは、おそらくは何万年か未来のことです。

 

 それまでに――

 ヒトが絶滅をしてしまう可能性も十分にあります。

 

 にもかかわらず――

 風邪ウイルスは、ヒトを共生の相手に選び、その進化に何らかの寄与をしようとしてくれている――

 

 そんなふうに捉えることさえ――

 できるかもしれません。

 

 ところで――

 

 ……

 

 ……

 

 ここで僕が意識をしたいのは――

 ヒトとの共生が必ずしも巧くはいっていないウイルスのことです。

 

 例えば――

 エイズ・ウイルスがそうです。

 

 ――エイズ

 とは、

 ――AIDS

 つまり、

 ――Acquired immunodeficiency syndrome (後天性免疫不全症候群

 の原因ウイルスです。

 ――ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus)

 とも呼ばれています。

 

 後天性免疫不全症候群とは――

 文字通り、免疫が不全の状態になってしまう病気――つまり、免疫が働かない状態になってしまう病気――です。

 

 何が免疫を働かせなくするのかというと――

 それが、

 ――エイズ・ウイルス

 です。

 

 エイズ・ウイルスは、性急なウイルスのようです。

 

 風邪ウイルスが、何万年もかけ、ヒトとの共生をゆっくり目指しているのに――

 エイズ・ウイルスは、ヒトの免疫へ直に悪さをし、手っ取り早く共生をしてしまおうと目論んでいるようです。

 

 免疫へ直に悪さをする分――

 いっけん共生が手っ取り早く実現をするのですが――

 免疫を悪くした個体は、生命の維持がかないません。

 

 ほどなく――

 他の病原体に晒され、冒され、落命をします。

 

 つまり――

 共生は、すぐに終わってしまうのです。

 

 風邪ウイルスには――

 そのような性急なところがないようです。

 

 少しずつ少しずつ、ヒトとの共生を図り――

 ひいては、ヒトの進化に対し、何らかの寄与をしようとしている――

 そんなふうに考えられます。