マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人間を2つに分ける(3)

 人間(にんげん)を2つに分けるとき――
 最もオーソドックスな分け方は、

 ――心と体

 に分けることである――
 ということを――

 おとといの『道草日記』で述べました。

 ――心が体に宿って初めて人間である。

 あるいは、

 ――体が心を宿して初めて人間である。

 ということです。

 が――

 こうした分け方は――
 実は、便宜的なものに過ぎません。

 実際には――
 人間を心と体との2つに分けることはできないのです。

 構造としても現象としても――
 分けることはできませんし――

 頭の中で概念的に分けることさえ――
 本当はできません。

 体が心をいかに生み出しているのか――
 あるいは――
 心は体からいかに生じているのか――

 そうした問いに――
 現代の科学も医学も哲学も――
 いまだに答えを見出せていません。

 にもかかわらず――

 ……

 ……

 僕が、こうした分け方を採るのは――

 人間の存在を考えるときに――
 体をみる場合と心をみる場合とで――
 人間の特徴が大きく変わってくるからです。

 ……

 ……

 体をみる場合は――
 人間は、

 ――袋

 です。

 皮膚という“かわ”からできた袋です。

 一方――
 心をみる場合は――
 人間は、

 ――網

 です。

 言葉の“働き”で繋がっている網です。

 ……

 ……

 人間の存在を考えるときに――
 僕は、いつも、

 ――袋の体、網の心

 と思っています。