――サディズムの本態は加虐性欲といわれているが、実は被虐性欲ではないか。
との疑念があることを――
きのうの『道草日記』で述べました。
もちろん――
常識的には、
と考えられます。
が――
これら2つの異常性欲の実態を突き詰めて考えていくと――
(本当に、そうなのか)
と思えるのです。
……
……
きのうの『道草日記』で述べたように――
サディストの生殖欲求を刺激しているのは――
少なくとも見かけ上は――
そのサディストによって虐を被っている誰かの反応であるように思えます。
つまり、
――客体の被虐
ですね。
一方――
マゾヒストの生殖欲求を刺激しているのは――
少なくとも見かけ上は――
そのマゾヒストに虐を加えている誰かの言動であるように思えます。
つまり、
――客体の加虐
ですね。
ここで、常識的な解釈を採れば――
サディストは、自分が誰かに虐を加えることによって、“客体の被虐”を演出していますから――
そのサディストにとって、“客体の被虐”は、あくまでサディスト自身の加虐――つまり、“主体の加虐”――に起因しています。
一方――
マゾヒストは、誰かが自分に虐を加えるように仕向けることによって、“客体の加虐”を演出していますから――
マゾヒストにとって、“客体の加虐”は、あくまでマゾヒスト自身の被虐――つまり、“主体の被虐”――に起因しています。
以上のことを――
あえて数学らしくいえば――
“客体の被虐“は“主体の加虐”の関数であり――
“客体の加虐”は“主体の被虐”の関数であるのです。
数式らしく記せば、
客体の被虐 = 客体の被虐(主体の加虐) ……①
客体の加虐 = 客体の加虐(主体の被虐) ……②
となります。
よって――
たしかに――
サディズムについて、
色気 = 色気(客体の被虐) ……③
であり――
マゾヒズムについて、
色気 = 色気(客体の加虐) ……④
であるものの――
③に①を代入すれば、サディズムについて、
色気 = 色気(客体の被虐)
⇔ 色気 = 色気(客体の被虐(主体の加虐))
⇔ 色気 = 色気(主体の加虐)
であり――
④に②を代入すれば、マゾヒズムについて、
色気 = 色気(客体の加虐)
⇔ 色気 = 色気(客体の加虐(主体の被虐))
⇔ 色気 = 色気(主体の被虐)
であるのですね。
つまり――
サディストにとって、色気は“主体の加虐”の関数であり――
マゾヒストにとって、色気は“主体の被虐”の関数である――
となります。
……
……
が――
あえて常識的な解釈を採らない場合は――
まったく違う結論に到達します。
例えば――
サディストにとって、“客体の被虐”は、必ずしも“主体の加虐”に起因しているとはみなせない――
マゾヒストにとって、“客体の加虐”は、必ずしも“主体の被虐”に起因しているとはみなせない――
という解釈です。
……
……
続きは、あすに――