マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

後継の実態は半継半断

 後継者問題が難しいのは――
 実は、

 ――後継の難しさ

 でもあります。

 誰が後継をするのかに世間の耳目は集まりがちですが――

 実際には――
 どんな風に後継をするのかが、それ以上の問題なのです。

 あらかじめ後継をさせようとする側は、

 ――後継

 を、

 ――これまでのことが十全に継承されること

 だと、つい期待をし――
 それを前提とします。

 が――
 実際に後継をする側は、

 ――十全の継承などムリ!

 と最初から見切っていることが、ほとんどです。

 現実的には、半分くらい継承し、半分くらい断絶させる――
 つまり、

 ――半継半断になる。

 と諦めているのですね。
 
 どんなに継承に熱心な後継者でも――
 せいぜい、

 ――七継三断

 くらいの心づもりではないでしょうか。

 すなわち、

 ――継承7割、断絶3割

 ということですね。

 当然です。

 後継者といえども――
 まったく独立の別人格なのですから――

 十全な継承など――
 最初から期待するほうが間違っています。

 ……

 ……

 おとといの『道草日記』で、

 ――後継者問題には民主主義の発想が有効そうである。

 ということを述べましたが――

 その理由は――
 選挙を経た後継では、

 ――七継三断

 は、もとより、

 ――三継七断

 が忌避されないからです。

 むしろ――
 そういうものだと最初から皆が思っている――

 極端な話――
 役職や地位だけを受け継いで、残りは全て断ち切る――
 ということも、理屈の上では、可能なのです。

 ……

 ……

 もちろん――

 きのうの『道草日記』で述べたように――
 民主主義の選挙には重大な懸念がつきまといます。

 それでも――

 民主主義の選挙によって後継者問題の解決に一定の成果が見込めるのは――
 後継をさせる側も後継をする側も――
 等しく、

 ――ある程度の断絶

 を最初から見込むためです。

 これは民主主義制度の最大の利点でしょう。