人間の体は、
――袋
であり――
人間の心は、
――網
である――
ということを――
4日前から――
この『道草日記』で繰り返し述べています。
……
……
たしかに――
人間の体は“袋”で、心は“網”だと――
僕は思っていますが――
それら“袋”や“網”は――
ふつうの袋や網とは、ちょっと違う――
ということにも――
多少の留意が必要です。
……
……
体の“袋”は、内側が完全に密封されているわけではありません。
部分的に開放されている袋です。
開放されている部分から、物質の類いが盛んに出入りしています。
また――
心の“網”は、繋ぎ目が常に固定されているわけではありません。
繋ぎ目が自在に変化する網です。
個々の繋ぎ目が切れたり付いたりするのをせわしく繰り返します。
そうした固有の特徴を備えてはいるけれども――
構造としては、概して袋であり、網なのです。
人間の体は、袋のように、何物かを取り込むことができますし――
人間の心は、網のように、何事かを絡め取ることができます。