去年の震災直後の僕が書いた文章を――
先日、ふと読み返してみる機会があったのですが――
(う~む)
と思わず腕組みをしてしまいました。
(これは、このときにしか絶対に書けなかった文章だな)
と思ったのです。
自分の書く文章のテイストが、そのときの自分の精神状態に左右されるというのは――
文章を書く人間としては、あまり好ましくは感じられない事実なのですが――
そうはいっても、自分の書いた文章に明らかな凄みを感じるのは、決して嬉しくないわけではないのですね。
そのような複雑な思いで胸がいっぱいになってしまったものですから――
思わず腕組みをして考え込んでしまったのですが――
結局のところは――
自分の書いた文章のテイストが、そのときの自分の精神状態に左右されるという事実は、どんなに頑張っても、今さら否定のしようがないでしょう。
むしろ――
自分の静止状態をコントロールすることで、自分の書く文章をコントロールするくらいの気概を持つことにしましょうか。