マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「人の道」という言葉は

 僕は、ときどき、

 ――それは人の道に外れる。

 なんていったりするのですが――
 そのとき、ふと、
(さて、「人の道」ってなんだろう?)
 と考え込むことがあるのです。

 もちろん――
 常識的に解釈すれば、「人の道」というのは、たぶん、

 ――すべての人に共有されうる最大公約数的な倫理基準

 でしょうけれども――

 では――
 そのように「すべての人に共有されうる」ということが本当にありうるのかどうか――
 僕には、いまひとつハッキリとしません。

 ある人にとっての最低限の倫理基準が、別の人にとっての最低限の倫理基準に含まれていないということは――
 おそらく、いくらでもありうるでしょう。

 が――
 人が「人の道」と口にするときに――
 そのような食い違いは、ほとんど想定していないと思うのです。

 少なくとも僕自身は、そうです――ほとんど想定していません。

 半ば脅し文句のようにして、「人の道に外れる」などといっています。

(「人の道」という言葉は、うかつには口走らないほうがいいんだろうな~)
 と、今は思っています。