――趣味は買い物
と答える人がいます。
とくに女性に多いように思います。
僕には、よくわからない感覚です。
買い物を楽しいと感じたことはありません。
なぜか――
買った後で、成否の責任を問われるからです。
その買い物で、得をしたか、損をしたか、あるいは、どちらでもないか――
「得」とか「損」とかいうのは、純粋に金銭的価値に置き換えられることとは限りません。
その買い物で、心が満たされたかどうか、心が豊かになったかどうか――
そういった価値観でも測られることです。
買い物の成否は、その買い物を終えたあとで、自分が自分に問うことになるのですが――
そのときに、
(あ~、失敗した~!)
と思ったときには――
自分が自分によって責任を問われているわけです。
(なんで、あのとき、こんなもん買ったんだ?)
と――
これは、つらい――
少なくとも、心地よいことではない――
ということは――
もし、買い物を心から楽しもうと思うなら――
あとで責任を問われることにならない範囲で買い物をすることです。
すなわち――
買わない――
買い物をしようと思って色々と商品を見てまわり、あれやこれやと悩んで、考え、迷ってみて――
結局は買わない――何ひとつ買わない――
それが、買い物を楽しむということです――
少なくとも僕にとっては――
何ひとつ買わない買い物は、たしかに趣味になりえますよ。