――独裁者は自分に都合の良い情報しか信じない。
といわれます。
たしかに、そうであろう、と――
僕も思いますが――
(「独裁者であるから、自分に都合の良い情報しか信じない」というわけではない)
とも思っています。
(因果関係は、たぶん逆だろう)
と――
すなわち、
――自分に都合の良い情報しか信じない者であるから、独裁者になる。
ということです。
自分に都合の良い情報しか信じない人は――
いかなる世界においても――
ふつうは成功を収めることができないものですが――
それでも――
何かの拍子に間違って成功を収めてしまうことがあるようです。
そういう“間違い”が国家の統治機構の中枢で起こってしまうと――
独裁者が誕生することになります。
独裁者は――
自分に都合の悪い情報に関しては――
人一倍に疑い深いのです。
そもそも――
独裁者であるためには、
――近代以降、独裁は国家の統治様式として好ましくないと、多くの人々が考えている。
との情報を――独裁者に最も都合の悪い情報を――誰より強く疑う必要がありますからね。