議論が得意な人は――
議論で誰かを説得することに長けています。
それはそれで、よいのですが――
実は――
それだけではありません。
議論が得意な人は――
概して傾聴能力の高い人です。
よって――
実は、議論で誰かを説得することだけでなく、誰かに説得されることにも――
長けているのですね。
つまり――
議論が得意な人は――
誰かに説得されやすいので――
誰かに操られる可能性が高い――
ということです。
これは、困ったことですね。
……
……
もちろん――
操られている当人に、操られている自覚はありません。
自分は議論が得意であるから、よく他者の意見を理解し、聞き入れ、活用できていると思っている――
ひょっとすると――
操っている当人にも、操っている自覚はないかもしれません。
相手が話のわかる人で助かったと、胸をなでおろしているだけかもしれない――
つまり――
そこに、
――操り、操られ
の関係は明瞭には発生していないかもしれない――
ということです。
……
……
いずれにせよ――
――議論が得意な人は操られやすい。
というのは――
議論が得意な人と関わる場合の注意点です。
あるいは、
――自分は議論が得意である。
と自負している場合の注意点でもあります。
議論が得意というのは――
ふつうはストロング・ポイントとみなされますが――
実は、ウィーク・ポイントと表裏一体なのです。