マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

真実を話していないとは限らない

 何か重大な問題があって――
 それについて何人かの関係者がいて――
 それら関係者の証言の内容が随所で食い違っているようなときに――

 人は、

 ――誰かが真実を話していない。

 などといったりするものですが――

 実際には――
 必ずしも、そうとは限らないのですね。

 ……

 ……

 それら関係者の全員が真実を話している可能性もある――
 ということです。

 もちろん――
 あくまで個々の関係者自身にとっての真実ですが――

 ……

 ……

 真実というのは――
 単なる事実とは異なります。

 事実に主観的な思いを組み込んだもの――「これこそが、まさに真の事実である」との思いを組み込んだもの――が真実です。

 よって――
 真実は人の数だけ存在します。

 つまり――
 真実の内容に個人差があったとしても――
 何ら不思議はないのですね。

 むしろ、個人差のあるほうが当然なのです。

「真実」の言葉の意味するところを――
 僕らは決して過信しないほうがよいでしょう。