――独創性
というのは――
少し間違えれば独善や狂気に陥るもので――
本来、大変に危ういものです。
最初から独創性を狙って何かを創っても――
まあ、よいことはない――
その良さが他者に理解され、評価されるのは――
ちょっと期待できないのです。
――なんだ気味が悪い。
――わけわからん…!
と、そっぽを向かれてオシマイです。
が――
ときに、偶発的に、
――なんだ気味が悪い、わけわからん。…けど、気になる。面白そう。
と耳目を集めることが――
ごく稀にあるのですね。
おそらくは「気味が悪い」の中にも愛嬌があって、「わけわからん」の中にも秩序があって――
そういう独善や狂気の中に、幅広く耳目を集めるだけの、何か普遍性が潜んでいるのでしょう。
それは狙って潜ませることのできないものです。
創作者が気づかないうちに、しぜんと潜んでしまうものです。