一見、非難に値するような無責任な行動を採った人でも――
必ず、その人なりの言い分というものがあるはずで――
その言い分を聞かない限りは――
容赦なく非難することはできないのですね。
ここでいう「言い分を聞く」とは――
決して温情を示すことではありません。
つまり、「容赦なく非難することはできない」とは、決して「相手に反論の余地を残してあげながら、程々に糾弾するしかない」という意味ではなくて、
――相手が反論できないくらいに厳しく糾弾する。
という意味です。
当然ですね。
相手の言い分を聞かない限り――
相手の論陣の急所を突くことはできませんので――
すなわち――
相手の言い分を聞くという行為は――
言い分を聞く側に、それなりの覚悟を迫っているのです。
……
……
怖いといえば――
怖いですね。