マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

それをいったら、おしまい

 6~7歳の女の子が――
 仕事や家事や育児(その女の子の世話)に奔走する父親をみて、

 ――大変だね。その気持ち、わかる。

 と手紙に書いたそうです。

 きのう――
 ネットで話題になっていました。

 何とも可愛らしいことです(笑

 が――

 ……

 ……

 この女の子の手紙の視点を、

 ――上から目線

 と評した人が多かったらしいことに――
 僕は多少の違和感を覚えました。

 どうやら「その気持ち、わかる」という言葉遣いが、“上から目線”の理由のようでした。

 もちろん――
 そのように評した人たちは――
 この6~7歳の女の子のことを本気で、

 ――傲慢だ。

 と糾弾しているのではなくて――

 手紙を書くのに慣れていない女の子が、つい“上から目線”の言葉遣いをしてしまったのが可愛らしい――
 と思っただけでしょう。

 が――
 僕は、
(この言葉遣いのどこが“上から目線”なの?)
 と――
 思わず訝ってしまったのですね。

(ぜんぜん“上から”じゃないでしょ)
 と――

 ……

 ……

 ――その気持ち、わかる。

 は――
 単に共感の情を明言しているだけです。

 よって――
 対等目線ではあっても――
 上から目線では決してないのですね。

 むしろ――
 この“対等目線”を、「上から目線」と評することのほうに、危うさを感じます。

 ――見下しの発想の裏返し

 といえなくもないからです。

 対等な関係を主張する相手に

 ――思い上がるな!

 と罵声を浴びせているに等しい構図です。

 ……

 ……

 もちろん――
 仕事や家事や育児をほとんど経験したことがないはずの子どもに、

 ――その気持ち、わかる。

 といわれて、思わず、

 ――ホントかよ~!(笑

 とツッコミを入れたくなる大人の気持ちは――
 自然だと感じます。

 僕も――
 同じ場面に遭遇したら――
 同じツッコミを入れるかもしれません。

 が――
 それでも――

 ……

 ……

 それをいったら、おしまいです。