学問の世界では――
100年前の大問題が、今では些細な問題になっていて――
逆に、100年前の些細な問題が、今では大問題になっていて――
ということがあります。
ということは――
今の些細な問題は、100年後の大問題になっていて――
今の大問題が、100年後の些細な問題になっている――
ということは、十分にありうるでしょう。
時間軸の単位を人の一生が収まるくらいに長く伸ばしたときに――
学問の風景は、まったく異なってみえてきます。
その風景は――
たぶん、とてつもない徒労感をもたらすでしょう。
(僕のやってることに、どんな意味があるのだろう?)
と、つい考え込んでしまうような――
――意味なんてない。
と達観した者だけが――
学問の道を究めるのだ――
という考え方があるのだそうです。
学問の時間軸を――
長く伸ばしたときには悠然と――
短く縮めたときには猛然と――
そのように学問に対して向かうことが――
学問を忌避せずに愛好するための必要条件だと感じます。