コンピュータにも「気分」に相当をしうる機能――あるいは、「機能の要素」――があるのか――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
もし、コンピュータにも「気分」があるのなら――
人工知能にとっての「気分」という概念も十分に成立をしうる、と――
……
……
ここで、
――気分
について述べる前に――
2020年9月24日の『道草日記』で述べた、
――感情の分布図
へ立ち戻りたいと思います。
そもそも、
――気分
というのは、
――感情
の一部であり――
――感情
は、
――情動
と、
――気分
とに分けられる――
というのが、
――感情の分布図
の前提でした。
精神医療の現場で主に問題となる病的な感情が、
――不安(病的な怯み)
――不穏(病的な勇み)
――鬱(病的な憂い)
――躁(病的な喜び)
の4つだけであることに由来をしています。
この“感情の分布図”は、僕が勝手に導入を試みている私案に過ぎず、とくに学術的な根拠などはないのですが――
2022年12月の時点で、人の感情に関し、
――これといった統一見解はない。
ということには留意が必要でしょう。
むしろ――
現代の自然科学は、人の感情に関し、まだ明確な定義を設けられないでいる――
という現状の確認が大切といえます。
この確認を踏まえますと――
――コンピュータにも「気分」はあるのか。
という問いへの答えを見出そうとする際に――
僕が勝手に導入を試みている“感情の分布図”にも、
(多少は意義がある)
といえるように思います。
2020年9月24日の『道草日記』で述べている通り――
――感情の分布図
は、
縦:気分軸
横:情動軸
の平面座標から成ります。
――気分軸
では、上方に“喜(き)”軸を伸ばし、下方に“憂(ゆう)”軸を伸ばします。
――情動軸
では、右方に“勇(ゆう)”軸を伸ばし、左方に“怯(きょう)”軸を伸ばします。
よって、
第1象限:“勇・喜”領域
第2象限:”喜・怯”領域
第3象限:“怯・憂”領域
第4象限:“憂・勇”領域
です。
なお――
2020年の『道草日記』では――
気分軸の下方の極性を、
――憂
で表しましたが――
これでは、情動軸の右方の極性である、
――勇
と読み方の音が一緒になってしまい――
紛らわしく感じられます。
よって、
――憂
の代わりに、「憂」と似た字義をもつ、
――愁(しゅう)
を用いたいと思います。
つまり、
――感情の分布図
では、右方に“勇”軸を伸ばし、上方に“喜”軸を伸ばし、左方に“怯”軸を伸ばし、下方に“愁”軸を伸ばすものとし、
第1象限:“勇・喜”領域
第2象限:”喜・怯”領域
第3象限:“怯・愁”領域
第4象限:“愁・勇”領域
とする――
ということです。