――今の恋が最高だ。
と思っている人ほど――
(実は浮気に走りやすいのではないか)
と――
僕は思っています。
――ひょっとすると、次の恋はもっと良いかもしれない。
などと――
考えかねないからです。
逆に、
――今の恋は、せいぜい2番目か3番目で、最高の恋は、あの時のあの人だった。
と思っている人ほど――
(まず浮気に走ることはないだろう)
と思います。
――ひょっとすると、次の恋は……。
などとは――
つゆも考えないからです。
むしろ、
――あんな恋は、もう2度とできないだろう。
と考える――
遠くの“原っぱ”から振り返って仰ぎみる“頂き”は――
実際以上に光り輝いてみえるものです。
……
……
こと恋に関する限り――
“峠”は――
なるべく若いうちに越えておくのがよいでしょう。
恋の“山道”を下ったら――
目の前に開けているのは、愛という名の“原っぱ”です。
その“原っぱ”には――
そう簡単には踏破できない広がりがあります。