マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

数理は自然界を司っているか

 主に物理学の研究成果から、

 ――自然界は数理的に記述できる。

 ということが――
 経験的に知られています。

 このことは――
 一般に、

 ――数理は自然界を司(つかさど)っている。

 と解釈されますが――

 一方で、

 ――そうではないのではないか。

 と懸念されてもいます。

 ――数理は自然界を司っているのではなく、自然界に対する人の理解を司っているに過ぎない。

 ということです。

 このことは――
 とりもなおさず、

 ――数理は生物種としてのヒトの脳を司っているに過ぎない。

 ということになります。

 いえ――

 本当は、逆です。

 ――生物種としてのヒトの脳が数理を作り出し、それを扱っているに過ぎない。

 ……

 ……

 こうなると――
 自然界と数理とは、かなり縁遠いものとなります。

 ……

 ……

 以上の話を――

 僕は、20代の後半のときに――
 老練な神経科学者の方から伺いました。

(いや。それ、なんか違うと思う)
 と――
 当時は思ったものですが――

 それから20年近くがたって――

 ……

 ……

(そうかもしれない)
 と――
 今は思うようになっています。