――世界は変わった。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
すなわち――
人々が、ウイルスへの恐れを抱くようになり、心を萎縮させ、その結果、社会は変容し、世界はヒトにとって生きにくい場になった、と――
が――
おそらく――
多くの人にとって、世界観は変わっていないのですよね。
少なくとも――
僕は変わっていません。
既述の通り――
世界は生きにくくなっていますが――
僕自身は、今のところ、その“生きにくさ”を感じておりません。
(あきらかにヒトにとって生きにくい世界になっているはずだけれど、僕自身は、そんなふうには感じられていない)
ということです。
……
……
――世界観
とは何か――
簡単にいってしまえば、
――世界の観方
あるいは、
――世界についての直観
です。
――世界は人知を超えた自然法則が司っている。
とか、
――世界を少しでも楽しんで生きるのが得である。
とか――
……
……
おとといの『道草日記』で、
――“世界”は変わっても、“世界観”は変わっていない。
ということを述べました。
世界観が変わっていないということは、
――この世界で、いかに生き残るか。
を考えたときには――
だいぶ都合が悪いといえます。
なぜか――
行動が変わらないからです。
人は、世界観が変わらない限り、行動を変えることはできません。
例えば――
パンデミックで都市封鎖が行われている最中に、いつも通りに遊び歩いたり、買い物に出かけたり、運動に勤(いそ)しんだりしようとしてしまう――
それは――
その人が不真面目だからでも不見識だからでもありません。
世界観が変わっていないからです。
……
……
この、
――世界観の恒常性
は――
おそらく、短期的には――
有益なのでしょう。
個体としてのヒトが人らしくあるために、おそらくは必要なのです。
が――
中・長期的には――
たぶん有害です。
少なくとも、
――この世界で生き残る。
という観点からは、あきらかに有害でしょう。
ここでいう「生き残る」とは、
――個体として生き残る
という意味と、
――生物種として生き残る
という意味との――
2つがあります。
生命史において――
世界の変化に適応できなかった個体や生物種は――
例外なく死滅し、絶滅してきたと考えられます。
“世界観の恒常性”が死滅・絶滅の危険因子の1つであることは――
ほぼ確実でしょう。