役職に見合った力量でないことを、
――力不足
といい――
力量に見合った役職でないことを、
――役不足
といいますね。
一般に――
力不足の人は――
自分の力不足を覆い隠すことは、とうていできません。
が――
役不足の人は――
自分の役不足をきれいに覆い隠すことができます。
その気になれば――
自分の力量があり余っていることを周囲に感じさせないように――
十分に配慮できるのですね。
よって――
力不足ではなく、かつ役不足でもない人を――つまり、適任の人を――それと確実に見抜くのは――
原理的に不可能といってよいでしょう。
どんなに“適任の人”にみえても――
実際には、“役不足の人”である可能性が――
決して否定できないからです。