マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

勧善懲悪が廃れない理由

 悪玉が善玉になって――
 善玉が悪玉になっていく物語――

 これこそ、

 ――身も蓋もないリアリティ

 という気がします。

 現実の人間の世界が――
 そうであるからです。

 悪人が悪人であり続け――
 善人が善人であり続ける――

 そんなことは――
 現実の人間の世界では――
 決して起こりえません。

 虚構の人間の世界でしか――
 起こりえないのです。

 ……

 ……

 いわゆる勧善懲悪の物語が――
 物語としては、あまりにも定型的であるにもかかわらず――

 今日――
 いまだに一定の支持を集め、一定の影響力を保ち――
 一向に廃れる気配がないのは――

 虚構の人間の世界でしか起こりえないことを描いているからです。