B級映画には、B級映画なりの楽しみ方というものがあると思うのですよ。
どういう楽しみ方かといいますと、
――世の中って、こんなんじゃないよね。
とか、
――人間って、もっと違った存在だよね。
とかいうことを、確認する楽しみ方です。
ちょっと捻(ひね)くれていますかね。
でも――
そうでもないと思いますよ。
B級映画の世界や人物は、現実の世界や人物とは全くといっていいほどに違うのですが――
その違いが制作者たちによって見事に無視されることで、奇想天外の映像や荒唐無稽の物語が形を成すのです。
そうしたB級映画ならではの魅力を楽しむのがB級映画の王道なわけですが――
B級映画の奇想天外や荒唐無稽な要素に慣れてくると、それを裏返すのも悪くはないのです。
――そんなの、ありえね~よ。
と笑いつつも、現実世界の淡白さを思い起こす――
思い起こすことで、奇想天外や荒唐無稽な虚構世界の有り難みをかみしめる――
甘味に塩をふりかけ、味を引き立たせるようなものですね。