生物学の面白さは、
――多様性の中の普遍性
もしくは、
――普遍でありつつ多様でもあり――
といったところに集約されると思います。
地球上の生物種は現在200万種ほどが確認されているといわれていますが――
未確認のものも含めれば、2000万種くらいはあるのではないかと推測されています。
しかも、例えば魚類と鳥類とでは全く異なった生理・形態・生態であるわけですよね。
にもかかわらず――
多くの共通点も存在します。
例えば、遺伝やエネルギー担体は全種にわたって共通です。
もちろん、本当に全種にわたって共通かどうかはわかりませんが――
現在、確認されている限り、例外は存在しないのです。
普遍で多様、多様で普遍――
これは生物に限った話ではないでしょう。
「多様性の中の普遍性」や「普遍でありつつ多様でもあり――」というのは、おそらくは自然界の原理です。
物理学は自然界の原理を、その普遍性にのみ着眼して、できるだけ単純に説明しようと試みますが――
実際の自然界が、そんなに単純でないのは、明らかでしょう。
自然界は普遍性だけで成り立っているのではありませんので――
普遍性に寄り添うように多様性がある――
その原理を手っ取り早く具現しているのが生物種であり――
よって、生物学を研究するということは、自然界の原理に迫ることでもあります。
まして、僕らヒト自身が生物種の一つですからね。
自分たちの存在を通して世界の秘密に迫れるというところが――
生物学の面白さだろうと思います。