マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

観念的な肉体美

 レオタードは“観念的な肉体美”を作り上げている――
 というようなことを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 ……

 ……

 ――観念的な肉体美

 とは何でしょうか。

 ……

 ……

 実は――
 それを考えるには、まず、

 ――自然的な肉体美

 を考えるのがよいでしょう。

 「自然的な肉体美」とは何か――

 ……

 ……

 それは、

 ――自然的存在としてのヒトの体の美しさ

 です。

 この美しさは――
 当然ながら、自然界の生物を司る原理に深く関わっています。

 そのような原理として真っ先に挙げられるのは、

 ――生殖

 でしょう。

 自然的存在にとって――
 美しさとは、

 ――生殖欲求をかきたてる性質

 とみなせることが――
 ほとんどです。

 つまり――
 「自然的存在としてのヒトの体の美しさ」とは、

 ――生殖に有利な体の性質

 といっても過言ではありません。

 例えば――
 女性の体であれば、妊娠・出産・育児に耐えられる十分な量の脂肪を随所に蓄えた体――
 男性の体であれば、妊娠・出産・育児に関わる様々な外敵を防ぐ強靭な筋肉を備えた体――
 です。

 これに対し――
 「観念的な肉体美」とは、

 ――社会的存在としての人の体の美しさ

 です。

 つまり、

  観念的な肉体美 ≒ 社会的な肉体美

 といってよいでしょう。

 この美しさを決めているのは――
 社会規範です。

 社会規範は、国や地域や時代によって変化します。

 よって――
 “観念的な肉体美”は――
 それほど普遍的ではありません。

 一例を挙げれば――
 日本の平安期の女性の体の美しさは、今日でいうところの、

 ――肥満体

 であったようです。

 このことは――
 日本の平安期には、おそらくは栄養事情の問題から、肥満体の女性が稀少であったことに起因します。

 ――あんなに太れるなんて、すごい!

 という素朴な羨望が――
 当時の“観念的な肉体美”を作り上げていたと考えられるのです。

 では――
 現代日本の女性の体の美しさは、どうか――

 ……

 ……

 これは――

 なかなかに難問です。

 ……

 ……

 なので――

 続きは、あす――