すぐれた小説は、
――語り続ける。
のに対し――
すぐれた随筆は、
――質(ただ)し続ける。
と感じます。
つまり、
――AはBをした。CはDをした。……
というように、述べ続けているのが小説で、
――AがBなのをどう思うか。CがDなのをどう思うか。……
というように、問い続けているのが随筆である――
ということです。
……
……
結局は、
――問い
が大事なのですよね――きっと――
……
……
小説であろうと、随筆であろうと――
何か書籍を著す場合に、その動機の根底を支えるのは、
――なぜ?
の思いである、と――
僕は感じます。
その「なぜ?」にまつわる理や情を――
平叙文で語り続けることによって暗示的に表そうとするのが小説であり――
疑問文で質し続けることによって明示的に表そうとするのが随筆である――
そう思います。