仙台市博物館へ行ってきました。
特別展です。
岡山県立美術館の所蔵する作品群が貸与されたそうです。
僕は、水墨画を――
決して嫌ってはおりませんが――
でも――
水墨画をみて――
いつも思うのは――
(いかにも“過去”が先立ってくる)
ということです。
歴史上の画家たちが――
当時の風景や人物をみて――あるいは、思い浮かべて――描いた絵ですから――
論理的に当然なのですが――
そういう論理展開の前に――
水墨画をみたら、すぐさま、
――過去の風景や人物を描いたもの
と思い込んでしまう――
そんな自分の内なる色眼鏡を強く意識してしまう――
ということです。
もちろん――
水墨画の良さは、過去を過去らしくみせるところにあるのではありません。
色鮮やかな風景や活き活きとした人物を――
あえて墨の濃淡だけで描いてみせる――
そうした厳しい制約を乗り越えて伝わってくる色彩や活況にこそ――
水墨画の良さはあるはずです。
現代人が、真に水墨画の良さを実感するためには――
例えば――
カープ・ファンの赤い衣装で染まったスタジアムの風景や――
キャッチャーのタッチをかいくぐって本塁に滑り込む人物を――
水墨画でみることでしょう。