マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

インサイダーをカッコいいと思うには

「インサイダー」「アウトサイダー」というと――
 何となくスタイリッシュですが――

「部内者」「部外者」というと――
 どことなく野暮ったいですね。

 まあ――
 どちらも同じ意味ですが――

 ……

 ……

 せっかくなので――

 以下、スタイリッシュなほうの呼称を用います。

 ……

 ……

 一般に――
 インサイダーと呼ばれる人たちは、何となくカッコわるいのですよね。

 アウトサイダーはカッコいい――

 例えば――
 小説やマンガ、映画やTVドラマの主人公は――
 たいていはアウトサイダーです。

 インサイダーが主人公という物語は、かなり珍しい――
 むしろ、悪役か脇役として光ることが多いといえます。

 なぜか――

 ……

 ……

 理由は簡単で――

 インサイダーは、部内者であるゆえに――
 個人の信条だけでなく、部内の事情等にも配慮してしまい――
 どうしても言動が複雑となりがちで、普遍的な理解を得られにくいのに対し――

 アウトサイダーは、部外者であるがゆえに――
 個人の信条だけに従っていればよく――
 しぜんと言動が単純となり、普遍的な理解を得られやすいからです。

 インサイダーをカッコいいと思うには――
 その部内に分け入って、事情等を深く広く把握する必要があります。

 よって――
 物語の悪役や脇役が――
 序盤では、めちゃくちゃカッコわるかったのに――
 終盤では、ものすごくカッコよくなっている――
 ということが起こりえます。

 それは――
 物語の受け手が、物語の進展に伴って――
 その悪役や脇役の属する部内に分け入った結果です。