マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

強者は弱者の戦法を採るべきではない

 勝負事では――

 強者は、つねに強者らしく振る舞うのがよいでしょう。

 強者が弱者に対し、弱者が採るべき戦法に徹することは――
 賢明とはいえません。

 弱者が変に勇気づけられ、実力以上の力を発揮するかもしれません。

 ただし――
 弱者は、つねに弱者らしく振る舞うのがよいのかというと――
 そうではありません。

 弱者が強者に対し、強者が採るべき戦法に徹することは――
 ときに思わぬ成果をもたらしえます。

 強者は――
 弱者が強者の戦法を採るのをみて「なめられた!」と逆上し――
 我を失うかもしれません。

 あるいは――
 変に不信感を抱き、かえって臆病風に吹かれるかもしれない――

 いずれにしても――
 強者の心の大きな隙が生まれうる――

 その隙に弱者がつけいることで――
 弱者が強者を倒す可能性は大いにあります。

 ……

 ……

 ここで大切なことは――

 強者が弱者に対し、弱者が採るべき戦法に徹することと――
 弱者が強者に対し、強者が採るべき戦法に徹することとは――
 決して同じではない――
 ということです。

 弱者が強者の戦法を採ることは――
 ときに優れた奇策となりえますが、

 ――その逆はありえない。

 ということです。

 強者が弱者の戦法を採ることは――
 単に弱者を利するだけです。