自分の人生であっても――
ときには脇役に徹することがあっていいんじゃないかと思っています。
――自分の人生なんだから、つねに主体的に!
とは、よくいわれる人生訓ですが――
自分の人生であるからといって、いつも主役に徹している必要はないんじゃないかと思うのです。
自分の人生において脇役に徹するとは――
別の言い方をすれば、
――自分の人生を誰かに貸す。
ということですね。
つまり、誰かに尽くしながら生きていくということです。
たしかに、一見、主体性のない生き方ですが――
本当に、そうでしょうか。
――ああ、尽くしたい。
と思える人と出会い、その結果、
――よし、尽くそう。
との決断を下しているのですから――
全く主体性がないわけではない――
むしろ、「尽くそう」と思えるような人と出会っている自分の幸せをこそ、噛み締めるのがよいでしょう。
ふつう、そんな人には滅多に出会えないのですから――
ただし――
自分の人生は、あくまで「貸す」のがよいと思っています。
自分の人生を「あげる」のは、よくない――
「貸す」に留まっているからこそ――
主体性の灯明が消えずに残るのです。