マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

もう一度、政策通の雄姿を

 今朝から東京に来ている。

 上野駅近辺で所用を済ませ、池袋経由で新宿へ――とある会合に出席するためである。
 お世話になっている作家さんが私的に開催されている会合に、である。

 その後、皆で居酒屋へ向かい――
 一次会、二次会と経て――
 深夜の山手線で、池袋駅から大塚駅に向かう最中――
 その車中でニュースを知った。

 ――橋本龍太郎さん、死去――

 のニュースである。

 報道によれば、先月初旬から深刻な病態に見舞われていた。
 医学的にみれば、

 ――やはり――

 の死去である。
 が、政治的にみれば、

 ――嗚呼――

 の死去ではなかったか。

 一度は小泉総理を打ち負かし、総裁の座を手に入れた(後、総理・総裁へ)
 党きっての政策通として知られる。女性にも人気があり、周囲の期待は大きかった。

 が――
 政局に足をとられ、志半ばで総理の座を去る。

 数年後に再度、総理の座を巡って小泉総理と争い、今度は打ち負かされ、事実上、政治生命を断たれる形となった。

 あれほど存在感のあった政治家が、これほど呆気なく世を去ってしまうとは――
 人世の無常を感じずにはいられない。

 政界に復帰し、もう一度、政策通の雄姿をみたかった。政界の表舞台でみたかった。

 政策に強く、政局に弱い――そういう政治家が、いてもいい。