マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

政治が政局に揺れるとき

 昨日の中川昭一財務・金融担当大臣の辞任劇が永田町の政局に火をつけたかもしれません。

 報道機関が伝えるところによれば――
 自民党の中堅・若手議員が麻生太郎総理大臣の退陣を公然と要求し始めたそうです。

 政治を有権者の立場でみるときに――
 キーワードが、少なくとも2つはあります。

「政策」と「政局」とです。

「政策」とは、政治家が巡らす思考・思案・方策であり、権力の行使です。
「政局」とは、政治家を取り巻く状況・人間関係であり、権力の闘争です。

 政局は、しばしば政治の負の側面として白い目でみられますが――
 政策は、必ず政局を経てから実現されるものです。

 政治家が人である以上、政局は必然です。
 政局を無視して政治を語ることは、競技を無視してスポーツを語るようなものです。

 政策だけを語り、政局を避けようとする政治家は大物ではありませんし――
 政策だけを扱い、政局に触れようとしない評論家は一流ではありません。

 有権者の立場では、一層ハッキリしています。
 政策よりは政局です。
 政局のほうが、有権者にとっては遥かに大切な要素です。

 なぜならば――
 政策の吟味には、専門の知識や特殊な思考様式が必要ですが――
 政局の観測には、特にこれといった知識や思考様式は必要ありません。

 必要なのは、自分を取り巻く状況や人間関係で培ってきた人間観察眼です。
 誰が何をいっているのか、どう振る舞っているのか――たやすく動じてはいないか、卑怯な行いに走ってはいないか、誠実に対応しているか――
 そういったことを的確に見抜く眼力です。

 政治が政局に揺れるとき――
 有権者は、人を見る眼の確かさが問われます。