マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

美文は文章が滑らか

 美文とは――
 派手な修飾語や奇抜な修辞法にかかっているのではなく――
 文意が滑らかに繋がっているかどうかにかかっていると考えています。

「文意が滑らかにつながっている」とは――
 文章中の言葉と言葉との関連が、句読点の前後で、明瞭に示されているということです。

 もう少し踏み込んでいえば――
 文章の中途に、突然、新奇な言葉が現れることのない文章――
 ということです。

 例えば、政治のことを論じている文脈で――
「政治」と書くべきところを「政局」と書いたり「権力闘争」と書いたり――

 たしかに、ある政治の局面には権力闘争が生じます。
 そうした局面を「政局」と呼ぶことがあります。

 が――
「政治」や「政局」「権力闘争」は、意味が明確にズレるのです。

 そのズレが、文章の滑らかさを奪います。

 滑らかさを奪われた文章は――
 とうてい美文ではありえないでしょう。