民主党政権に変わってから――
マトモな政治ニュースが増えましたね。
「マトモな」というのは、
――政局ではなく政策の――
という意味です。
政局というのは、簡単にいえば権力闘争のことで――
有力な政治家が会合を重ねているとか、あの閣僚が罷免される見通しだとか、こんな失言をした国会議員がいるとか、収賄の疑惑がささやかれているとか、そういったニュースのことです。
政策は、政治が具体的に結実したものです。
政治は、社会全体の損益をいかに振り分けるのか、というのが核心です。
国の外交や安全保障や治安維持なども、広い意味で損益に含まれます。
ですから――
政策が世の中に広く伝えられるということは、大変に真っ当な現象なのです。
亀井大臣は、近年の日本社会で家族間殺人が頻発しているのは、大企業が伝統的な家族型経営を捨て、欧米風の市場主義を重視した結果だとして、経団連を厳しく批判したそうですが――
この失言とも難癖ともとれる発言も、根本的には社会全体の損益の振り分けが強く意識されています。
だって――
要は、大企業に利益が集まりやすい現状を見直す必要がある、といっているのですから――
こういってしまうと――
この亀井大臣のニュースも、途端につまらなくなる――(苦笑
政策のニュースというのは、つまらないものばかりです。
無味乾燥、品行方正、怜悧冷徹――そんな印象を与えるニュースばかりです。
それでは、あまりにも退屈なので――
しばしば政局のニュースに仕立てられてしまいます――マスコミの手によって――
政局のニュースから過剰な演出や虚飾を剥ぎ取り、政策のニュースだけにしつらえなおしてあげれば――
政界の印象は大きく変わるでしょう。