マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

戦争、人間

 ――戦争は儲かる。

 という。

 事実だろう。
 第一次世界大戦朝鮮戦争が日本にもたらした好景気を引き合いに出すまでもない。

 戦争は物を破壊する。
 物が破壊されるから、物が補充される。
 物が補充されるためには、物が作られねばならぬ。
 物が作られれば、カネが動く。

 だから、戦争は儲かる。

 あえて事を単純化した。
 実際は、もっと複雑である――当たり前だが――

 それにしても、

 ――戦争は儲かる。

 は、かなり残酷だ。

 もちろん、戦争を眼前で引き受ける人間にとっては、

 ――儲かる。

 などといっていられるわけがない。
 戦争を遠くに感じられる人間だけが、

 ――儲かる。

 などと、いっていられる。

 戦争が残酷なのではない。
 人間が残酷なのだ。

 その残酷さを顕然とさせないために――
 人間は戦争を避けなければならぬ。

 政治や戦略以前の問題だ。
 それらにドップリと浸かっていると、忘れやすい問題のようだが――