サッカーの中田英寿選手が引退を発表した。
昨夜のことだそうである。
どちらかといえば、イヤな選手だった。
もちろん、すばらしい選手だったとは思う。実績は申し分ない。
が、あくまで日本人選手としての実績だ。世界基準でみたら頭抜けているわけではない。
――イヤだな。
と感じたのは、チームに溶け込む大切さを軽視しているようにみえたからである――サッカーはチーム競技なのに――
メディアの前でチームメイト批判を繰り返す中田選手の見識を疑った。
チームメイトへ直に訴える努力を怠っていると報じられた。
チームメイトの冷淡なコメントが、それを裏付けた。
いくら技術や体力が一流でも、チームに溶け込めなかったら、二流だ。
その意味で、中田選手は二流だと思った。
チームに溶け込む大切さを軽視するなら、サッカー選手は止めて欲しい――
プロ・スポーツのチーム内不和など、ファンはみたくない――
が――
こうして引退を発表されると、印象はガラッと変わる。
そんなにイヤな選手ではなくなった。
(この人も、一個の人間だったのだな)
と思うだけである。
――自分の欠点を中田選手に重ねてみてただけなんだ。
ということに、昨夜、僕は気が付いた。
チームに溶け込む大切さを軽視する傾向は、僕の傾向だ。